今日は

また病院での課せられた半日が始まる。
今日の午前中は腹部超音波の日だ。

すごく暇で、行くと検査室で2人の上司がいたのだが少し怖くて話しかけられない。
思わず部屋の前で引き返し、トイレに行く。
挨拶しないと。でもやっぱりできない。
そんな心の葛藤が、俺をまた自己批判の海に引きずりこんでいく。

結局挨拶できず、また自動思考が始まってしまった。
俺はダメなやつ。
ここにいてはいけない。

じっと奥のパソコンでものも言わず、声を潜めて作業(するふり)。そんな自分の心にトゲが刺さるような思いは今まで何十年も過ごしてきた。

そうしてカルテを見ていたら優しい部長先生が声を掛けてくれた。
自分の患者のエコーをやっていいとのこと。
やってみてくれと。

この先生はとても優しく、レジデントの僕がどんなに変なことを聞いても、夜中に相談しても嫌な返事一つしたことが無い。それは他のレジデントに対してもそうであり、なんでも相談に乗ってくれこまったら快く来てくれる。

検査とか、処置とかでは怒鳴られたことはあるけれど、その姿勢を保てるのはある種のスーパードクターだと思う。
俺は余裕がないので絶対に真似は出来ない。

部長に電話で怒られた、機嫌の悪い声は聞いたことがない。入院患者も把握していて、何か間違った処置などしていたらすぐ指摘してくれて、相談にも乗ってくれ相談もしやすい。


自分がうつ病を持っていることも、いつの間にか気づいてくれていて相談する前に知っていた。そんな先生だ。

しかし、そんな先生も自分のうつ病の気持ちや心情は全ては理解はしてくださらないだろう。
明日もブロンコ一緒にやろうと誘って下さったが、長時間の病院での労働はまだ一抹の不安はある。


ということで、仕事は終わった。
あとは臨時がない限り、午前中は終了。
しかし、自動思考は消えず結局上司(レジデントの上の先輩)とは一言も喋れなかった。

医局に戻ってもまた自動思考は始まる。

隣の席にさっきのレジデントの先生が来る。
ここでゆっくり勉強はできない。
1人で周りの目を気にせず、集中したい。

図書室に逃げ込み、鍵をかける。
ここは狭い書庫になっていて、鍵をかければ誰も入ってこない。
誰にも見つからない、逃げ場なのだ。
病気がひどくなって自動思考が止まらなくなってからは専ら勉強は図書室でしている。


データマニュアルをやるが、少しやると疲れる。早朝覚醒のせいか、11時前なのにまだ眠くて頭も痛い。
そこで、嫌な気分よさようならを読むが、今度は吐き気が出て来る。

そこでもう本を置き、じっとして目を閉じ机に突っ伏する。
早く12時になるのをひたすら待つ。

ようやく正午の鐘が鳴り、医局に行きすぐさま着替えて家に着く。

やはり気分の悪さや吐き気は治らない。
セロトニン不足なのか‥
しっかり寝れていないのかな。


今日も睡眠薬を飲んで寝たものの、朝6時には起きて、眠れない時間を過ごしたのだ。
ベットに横になって、ケータイをいじる。

認知行動療法すら出来ない、これはどうしたらいいのか。
しばらく、午前中の業務で精一杯だと思われる。
これが精一杯。
早く認知行動療法の結果の電話が来ないかな。
早く始めたい。読書は集中出来ない時がある。
吐き気が続けば、カロナールでも飲もうかな。


そっとベットで目を閉じる。
やはり吐き気も、寒気まで出て来た。
主治医に連絡して、外来が終わって掛け直して貰うことになる。

なかなか楽にはなれないようですね。