きっとこれも幸せにつながると信じて。

感情の上げ下げが難しい。もう22歳なのにいまだその波に対応できていないことを感じる・・
今日は試験も近いのに、1限から4限まで講義があった。しかし朝は病理の実習でいままでの総復習だったため、ほぼ3時間放置に近い形であったがしょうがなく再来週の実習試験のために勉強した。隣の机では同じく留年したY君が爆睡するなか、なんとかパソコン上の画面を読み取る努力をした。

でもぶっちゃけ難しい・・前やった試行問題では、いきなり見せられたら肝臓すらわからなくて能力のなさがまざまざとわかった。これは新カリになった今年からの試みで何が出るか分からない上、今までのノート提出や出席も点数に加味されるみたいなのであまり試験は気にしないようにしよう・・

そして午後からは基礎医学実習の発表会で、人の発表を内職しながら聞いていた。
やはり医学部だけあってみなスライドの完成度が高い。テーマを深いところまでえぐっていて、それでいて笑いもきっちり取り、前に出て発表するのも慣れてる感じで皆堂々と話しているように見えた。

僕らの班は昨日発表で、しかも自分が担当した分野ではちょっと前に作ったものなので、頭が真っ白になりながら声が震えないように必死で何も考えずしゃべったことを考えるとはるかにほかの人のほうが優れて見えた。
普段はおちゃらけているような奴も発表では頭が切れるスピーカーとしての役割をはたしていたし、そんなのを見ていたらなにか悲しくなってきた。

彼らと比べて自分は留年したクラスで、なにか居心地の悪く素直に笑えず机にかじりついてるさまに言いようのない劣等感が湧いてきた。
1年生の頃一緒に遊んだ仲間の一人は、僕らの実習で教える側として教壇に立ち、かたや留年した僕らは実習でも村八分のように前の席に押し固められ日陰で黙々と作業をこなす。
いつの間にか日陰でいることに慣れてきて、新しいクラスで仲良くなることすらあきらめてしまった気がする。
もうあいさつすら交わせる人は片手で数えるくらいだ。

テストが近いこともあり、そんな状況すら反骨心に変え、こいつらに負けるかという泥水に埋まっていたプライドを掘り起こして鞭打ってきたがこんな些細なことであっさり揺らいでしまった。
俺は孤独だ。友達もいない。自分に自信もない。こんな自分に何ができる。
途方もなく寂しくむなしい、そんな感情が勉強で集中しなくてはならない図書館で勉強している間ずっと浮かんでいた。

虚勢でつくろった張子の虎のようなプライドを作っていただけに、反動が大きかったようだ。
こういった内向する感情を止める術をまだ僕は知らない。有り余る空想が不安を増幅させ、自分の心がまるで移ろいやすいこの地方の天気のようにしとしとと雨を降らしていた。
心のなかにさす傘がない時はどうしたらいいのだろう。

いつのまにか勉強も非効率的でやばいかも、となってきたのでこうして書き込んでいる次第です。
どれだけ勉強しても報われない努力は意味がないし、そうした努力はやってて苦しい。
やってていいイメージが浮かんでくるときが勉強がいい方向に向かっているということは、経験上自分の心がよく知っている。

留年しているだけに、試験で悪いイメージを払拭するのは並大抵ではないだろう。それこそ万年最下位だった阪神のように、自分の心にもそういった甘やかされたオーナーが居座っているのかもしれない。

でも、汚い言い方だが医者になるには自分に打ち勝ちこのクラスの誰かを蹴落とし、90パーセント以上に入って医師国家試験をパスしないといけないのだ。
今でこそ阪神も優勝が狙えるチームであるが、ここまでなるにはオーナーに意見のできる野村監督を呼び、フロントを代え、ドラフトやFAで軸となる選手を獲得するといった一朝一夕でない歩みがあったはずだ。

僕も目標を達成したい。なぜかってそれは難しいけれど、きっとそれが一番いいことだと心が分かっている。
この道を続けることで価値が見えてくるだろうし、本気でやめたくなったらそのとき決めたらいい。

周りがどうこうじゃなく、自分がやると決めてわざわざこの田舎まで来て、1年のときの間違った認識のまま2年生を迎えて留年し、多くの友人を失ってまでしてやってきた。
前期は再試地獄で、留年したときに比べるとまだましだったが、約2ヶ月間ずっと勉強というかなりハードな思いをしてここまで来たんだ。

自信もプライドもある日あるときふとした風向きで消えてしまうが、この道を進まないと。
ちょうど小学生が嫌いな給食に手こずって昼休みが短くなるように、いつかは乗り越えないといけない壁なのだ。

せっかくだから楽しみたいし、ぼくも幸せになりたい。
どこのどいつが不幸になろうとして人生を生きているのか。なりたいようにする努力を尽くして報われないことも時にあろうが、それでもすすんで悲劇に向かって進むやつはいるだろうか。

2月1日からの試験、負けたくない。なんだかんだで、僕は今を意識的によくして過ごしていきたい。それが未来を作っていくと信じて堂々と歩むのだ。