森の出口、下界への招待

今日は雨が降ったり晴れたりといそがしい一日だった。
基本的にすることが無かったので、昼過ぎの閉店間際にこの町で一番うまい店だと思っているうどん屋に行き、うどんを食ってたら店のおじさんがおむすびが余っているから食っていいといわれた。

この世は暖かい。そう思うやバッセンに行こうとチャリで出かけると晴天のはずの雨が降り出してきた。忌々しいと思いながら道半ばにして折り返し、車で行くことに。

バッセンでは意外と振れていた。バッセンはいつもガチでやるのであまり楽しめないのだが、今日はまあまあ調子がよかった。瞬発力はそんな落ちてない。あとは持久力だ。

けっこうこの車、横幅があって狭いこの町の道路には多少厳しいときもある。人がいて対向車が来たらいっぱいいっぱいだ。
事故らないように神経を張っていないといけない。左側の人に注意っと。

あと、自分は感情の浮き沈みが激しく、車の運転にも出てしまう。
教習所の適性検査でも出ていたけれどうつ状態などのときの判断力などの落ち込みが激しい。やばす。

ちゃんと人を避けないで元気に挨拶とかしないと、それが自分に返ってくる。すべては自分に返ってくるのだ。
よい行い・ポジティブな思考を心がけよう。

夕方は地元のY城に登った。2年間住んでいるが近いのにはじめて登った。
くねくねと曲がった森の道は妙に心地よい。夕刻の暗闇に沈み行く森はまるで自分の人生をあらわしているかのようだ。

10分ほど歩いた後、開けた頂上から見下ろす大学周辺の町はいつもとは違う美しさがあった。こんなに海に面していたんだ、って思った。
海と内湾に挟まれた景色。そしてはさまれた砂州のような半島に並ぶ町。背には山地がそびえる。

日本の66パーセントは山で、四方は海。海岸沿いのちょっとした沖積平野でせせこましく生きているわれわれは自然には勝てない。心の移り変わる天気は自分が借り物の体のような気がしてならない。そんな気がした。

この町で生きていけるのか。大丈夫だよな。そんなことを思いながら下山した。どんよりとした森は居心地がよい。でもいつかは降りなくてはいけない、下界。きっと森に居続けてはいけない。

家に帰り、見た目と違って優しい店員に自転車を直してもらい、こんな一人ぼっちの野郎に、わざわざ店の手伝いをしたお礼のプレゼントを持ってきてくれた野球部の後輩に感謝です。

みんないい人だ。生きる上で航海の荒波を作るのは自分で、波を鎮めるのも元をただせば自分かも。他人に求めるのは厳しいんで無いのか。裏切らないものは何なのか。家族もそばにいない今、見出すのは自分がそれを生んでいくしかない。

ベンゾジアゼピン。僕にとっての抗うつ病薬はなんだろ。