追いコン

今日は野球部の卒業生追い出しコンパだった。
僕は副キャプテンで幹部なのでスーツでOBの先生方や卒業される方々をもてなす側である。といってもあまりすることはないが。

うちの大学の医学部の野球部は60年の伝統があり、先輩方もたくさんおられる。OB会長は70歳過ぎの先生で、今もこういった会には出席される。
今日も9人の先生が来られ、話をしておられた。

そのお話で心に残ったのは、今大学の小児科の教授をされている先生がおっしゃった「医者はごまかしがきかないから、やる気があれば勉強をしっかりしたほうがいい。損はないから。」という言葉と、大学病院の産婦人科の先生がおっしゃった「若いうちはこつこつと影の努力を積み重ねてほしい。勉強も野球も基本が一番大事だ。」という言葉だ。

最初の言葉は、今医学生として学ぶ身においてやっぱりいいかげんな勉強は出来ないのだな、と思わされた。
正直、今の時点で医者としての責任感や断固とした意思はなかなかない。
いやなこと、苦しいことがあったら辞めようかなとかこの期に及んで考えたりするが、医学部の試験はごまかしがきかない。

教養のときのように甘い認識が吹っ飛ぶほど、隅から隅まで細かい勉強が必要である。しかも量も膨大だ。その中で、ごまかしのきかない勉強をしていくことで医者としての姿勢、心構えが磨かれるのかもしれないと感じた。

きっと人間、本当に苦しかったりピンチのときじゃないと成長できない。
壁にぶち当たることで、乗り越えようとがんばるのであって苦しんだり悩むことはプラスになるのだろう。何度も打たれて打たれて強くなっていくのだ。

また、後者の言葉は最近読んだ「野村ノート」にも書いてあった。
イチローも、野村監督も言う「小事が大事を生む」ということはいきなり大きなことを目指すのではなく、小さい事柄を積み重ねていくことで大きな目標が達成できるという意味だと。
また、その本には最近の若い人は光があって影がない、とも書いてあった。

これは僕らの勉強にも通じる気がする。たとえ膨大な量をこなさないといけない試験勉強でも、こつこつ毎日積み重ねていくことでたとえ遅い歩みでも忍耐すれば大きな目標である合格に達すると。

これはともすれば目の前の大きな課題にあきらめてしまいがちな自分にとって大事なことのように思う。たとえ今が辛くても踏みとどまって一歩、一歩進むことである。テスト前日、泣きそうになる心を抑えて知識を踏み固めていく忍耐力が問われている気がしてならない。

考えれば医学部は忍耐の連続である。経験のある方はわかるだろうが、影日向の努力がかなり求められる。それは受験のときからそうで、最後まであきらめないある種の執着心を持った者が選ばれると言っていいかもしれない。

きっと医者に限らず、人生で必要な忍耐力を養うために今この若い時代を学生としてがんばっていく意味があるのだろう。
きっとそれは仕事に限らず人生に通じている。

人生を追い求めていく。これはどんな職業に、どんな生き方をしても考えることが出来るし、これを考えずにはいられない。(時にそうもいかないときもあるけれど)
そんなことを言ってめちゃくちゃだらしない日々を送ったり、ミスったりしてるけど。

さっきの言葉も、きっと人生の岐路に立ったときに、もしくはそれが終わった後に出てくる思いなのかもしれない。えてして自分が経験していないことは恐ろしいほど鈍感だから。そう考えると、生きていくとはたとえ何をしようともその経験自体がかけがえのない財産のように思えてくる。年をとればとるほど見えてくるし、成長し続けることが出来る。

さて、そういったことから22歳の今をどう生きるか。これは難しい。
でも今出来る範囲でこういった言葉を大事に生きていきたい。
答えは今はないかもしれないが、後から見つかってそれを楽しめる人生でありたい。


ところで今日の飲み会はまずまず楽しかった。
自分は最近なるべく他人に期待しないように心がけているせいか、前よりクールで反応が薄いとよく言われる。
きっと正月実家で久々に家族で過ごして、自分の感情や今までどういう気持ちで過ごしてきたか発見できたことがあるのでそこから変わった気がする。

傷つくのがこわいから、あまり他人の顔を見たり人の気持ちをうかがうことは極力しないようになっている。これは自分が人に期待しすぎていることを知った上での行動だ。こうすることでほかの人はある程度心の平安を保ってるのかもしれない。

やっぱ自分は繊細である。これはいまさら変えようにも変えれないのでそれ相応の処し方を見つけていきたいのだ。いままで人間関係でうまくいかない、なんか違う感じをずっと抱いていたので変えようと思ってみた。

こうして考えることが出来るのも野球部のおかげである。
みんながいて、自分がいるときに苦しみが生まれ、そこで初めて考え出した。人とのふれあい、つながりこそが自分を成長させてくれるのかもしれない。内向的で思ったことをすぐ口には出せないジレンマはあるが、そうした根本理念は感じている。

自分の感情をこねて、いろいろ見つけて考えるきっかけとなったこの年末、弟や両親と一緒に過ごせてよかった。自分の存在は家族との関係がとても大きく切っては切り離せないものだと改めて感じる。年末の韓国旅行は非常に貴重な時間だったし、いっしょにいるだけでありがたい、そんな瞬間だった。

明るく快楽主義的な頭のいい弟と一緒にいるとこっちまで明るく無邪気な感情になれたし、そんな一面も自分にあるのだとわかった。
心を掘り下げることが出来てよかった。


話は代わるが、とりあえず明日はセンター試験の関係で授業がないので試験勉強をこつこつ、忍耐をもって小事は大事を生むと唱えてやっていきたい。
軽い酔いもあってまじめすぎる話を自分勝手語りまくってすみません。