サンフレッチェ
佐藤寿人はサッカーJリーグ、サンフレッチェ広島のFWで、8年ほど前父の会合に参加した時に会ったことがある。
その時はまだ彼は仙台から移籍したばかりで、背の小さなFWという印象しかなかったのだが一応仙台で実績のある選手で
あったためその会合に来た数人の選手のうちでは一番有名であったと思う。
当時謙虚とはかけ離れていた高校生の私にも横柄な態度も取らず握手してくれたのをいまでも覚えている。
気の進まなかった会合で、あまり覚えてはいないがそのことだけは覚えている。
あれから10年近くたち、サンフレッチェは一度J2に降格し、主力の駒野も抜けたけどJ2でぶっちぎりで優勝して1年で復帰して、近年はJ1で安定して中位のチームになった。ナビスコカップ決勝でジュビロ前田に終了間際に決められ、結局延長で負けた時もあった。
攻め続けている時はいいが、悪い時はどうしても続いてしまう。ナビスコ決勝はテレビの前でこれはいかんと思ったものだ。
今年サンフレッチェが好調で、いつの間にか優勝してしまった。
今年はどこも団子状態で、圧倒的な力があったわけではないが最終戦をテレビで見た限り攻撃の連動性もあり、選手も粒ぞろいでそこそこの完成度のあるチームだ。
なにより時折見せる攻守のバランスを取る森崎兄弟のパスにがいい味を出していた。
あのころとは違う、成長が見えた。一辺倒だけでない、負けないサッカーもできるようになった。
負けて、得るものはあったのだ。
先日サンフレッチェは優勝を決めた。
でも決していいときばっかりじゃなく、なかなか勝てない苦労を知っているだけに佐藤寿人が泣いているのを見たら思わずもらい泣きしそうになった。
この時のこの瞬間のために頑張って、国内外へ去っていく仲間も多いのに海外移籍も断って佐藤寿人はいち地方クラブであるサンフレッチェをあきらめずにチームをエースストライカーとして引っ張り続けた。謙虚で、誠実で、子供っぽい笑顔が印象的なサッカー小僧は、常に上をめざし今年はついに得点王も獲得した。おそらく今、彼はサッカー選手としてのキャリアの頂点にいるだろう。
あのころから8年、紆余曲折ありながらサンフレッチェは優勝し、私は高校生から大学生となった。
私は今、あのころは想像もしていない場所に住んで、生活し、毎日を過ごしている。
佐藤寿人のようにエースストライカーにはなれない。
得点王にもなれない。
派手に結果を出す人生は難しいかもしれないけれど、地道にこつこつ目標に取り組む姿勢はできるのではないか。(実はかなり苦手なことであるけれど・・)
経営基盤の決して大きくはない地方クラブで、苦労はあったにちがいないが優勝という結果を出して見せた佐藤寿人。
きっと結果も出ず、もやもやする日も多かっただろう。
なんであろうと仕事に誇りを持って取り組めば、いつかは目標にかなうはず。
先の見えない将来で、現実の能力不足に不安ばかりで何ができるか何がしたいかもわからないけど、一生懸命頑張って選択肢を狭めないようにしたい。
ポリクリも、なんでもいつでも毎日スタート地点だ。
リセットすればいつでもそこからスタートできる。
疲れてきた12月、ぼーっとしてるが。こんなこと書いてるのは一種の現実逃避だとわかっていますが。。
なんとか、不器用でも、泥臭くても、迷っても、喰らいついて、休んで、歩いて、時に走って。
きょうも、あしたも、あさっても・・